①医者は神様じゃない、患者と同じ人間だ。(人間だからな)
これは、里見助教授(江口洋介)が財前助教授(唐沢寿明)に言った言葉ですが、同じ言葉を財前も、里見に対して言っております。同じ言葉でも、違う意味になっているところが面白いですよね。
里見は、財前の傲慢な態度を戒めるために使った言葉ですが、財前は、医者も人間だから、患者の都合よりも、自分の都合を優先させてしまうといった意味合いで使っています。
2人の方針の違いを、この一つのセリフで端的に表しているのは、さすがだなあと思います。
②チッ by 東教授(石坂浩二) (セリフじゃないかもしれませんが。)
これは憎い財前がVIP患者のオペを行っていて、患者を死なせてしまうかもしれない危険な局面から脱しした時に、東教授がチッと舌打ちですね。医者なら患者の生死を第一に考えなきゃいけないのに、助かって舌打ちですからね。酷いと思いますよ。VIP患者を助けたら、財前の手柄になってしまうけど、死なせてしまったら財前の評判は落ちます。患者の命よりも、財前の評判が落ちる事を望んでたわけですね。まあ、何かに囚われていると、本当に大事な事の優先順位は変わってしまいますよね。この舌打ちを聞いていた、金井講師はびっくりしていましたね。その後、「さすが財前君だね、任せておいてよかった。」と東教授は言ってましたが。。。。。。。
あと、東教授は、金井講師に、財前君の事をどう思っているのかね?本当に尊敬できるのかね?と聞いてましたね。正直、財前先生はどうかと思いますみたいな事を言って欲しかったんでしょうね。ただもし、金井講師がそう言ったとしても、空疎な建前を大事にする東教授は、まあまあまあまあ、みたいな感じで、あえて財前をフォローするような言葉を言った気がしますね。
第一外科の部下は、ほとんど財前派だったと思いますが、この金井講師だけは中立な立場でしたよね。この辺の空気感も面白かったと思います。
③私の全てが腹立たしいでございますね。
これは財前が東教授の言葉を覆いかぶせるように言った言葉ですね。東教授は、財前のここが悪いとか、そこが悪いとかいちいち理由をつけて難癖をつけてきますが、結局の財前の事が嫌いということに尽きるんですよね。他の人が同じような事をやったら褒めるようなことでも、財前がやったら気に食わないんですよね。それに対して、財前が私の全てが腹立たしいでございますね。と言ったわけですね。ただ、もし財前がこれを言わなかったら、東教授が財前の何が腹立たしいと言っていたのかは興味がありますね。
この後、財前は東教授に大して「価値のないの年代物(のワイン)に高い金を払う必要はありませんよ東教授」と言ってますね。
その返答に東教授は「本物なら10万払っても惜しくはないが、 ラベルだけの粗悪品なら1円だって払いたくないんだよ。財前くん」と応酬してます。
この台詞の掛け合いは面白かったですよね。
④この世には誰からも好かれる人間なんていないものよ。だって誰からも好かれる人間を嫌う人間というのが必ずいるでしょ。
まあ、クラブのママの黒木瞳が言ったセリフですが、まあその通りですよね。
⑤甘いお方だ
この台詞は有名ですよね。そしてその後の東教授の錯乱ぶりも。個人的にはそれを見ていた運転手のどうした?みたいな顔が好きでしたね。
船尾教授が東教授に言った言葉ですが、この言葉は東教授のプライドをズタズタに引き裂きましたね。その他にも、舟尾教授「あなたの交渉では、不安ですね。」とか、「私は学会連合会の幹事もやっているので大したことではない」とかマウントを取る発言をしてますね。そして極め付けに、「ふっ、ちっ、甘いお方だ、まあいい」ですからね。「あ〜あ」と東教授の無能さに呆れて見下したような態度をとってますね。東教授の方が先輩なのに。第2部では、東教授の敵となり、法廷で馬鹿にしていましたね。仕事ができるとか、できないというのは、瞬時に見抜かれてしまうものですよね。船尾教授は東教授と話して、すぐに「あっこいつだめだわ」と思っちゃったんでしょうね。そして性格が悪いから馬鹿にしちゃうんですよね。東教授も政治的な苦手なんだから、既に医学部の教授なんだし、欲張らず、分相応の事をやってればいいのに、やっぱり権力を持っている人に嫉妬しちゃうんでしょうね。自分も権力をもって、涼しい顔をしていたかったんでしょうね。
東教授は、本来はきっと根はいい方なんだと思います。でも、里見先生や、大河内教授のように、揺るがない意志は持ててないですよね。それで権力争いをしてしまっており、本来の自分を見失っているんですよね。ですが、船尾教授や、鵜飼学長のように非常にも徹する事ができていないんですよね。どっちつかずなんですね。でも、物語の最後には、本来の自分を取り戻す事ができたようで良かったと思います。
他にも、たくさん、好きなセリフがあるので、5つだけに絞るのが難したかったです。